スティグマとは
社会的な関係性である。
スティグマは直訳で”烙印”だが、固定的な属性
(その人に備わった特徴)として捉えることはせず、
こととの相互作用で生じる。
様々な相互行為の場面で生じるので、誰でもスティグマを負う可能性がある。
精神障害者施設への反対運動の考察
反対している地域住民が思い描いている精神障害者は
「さまざまな人生を経て精神疾患を患い、病を持ちながらも
さまざまな人生を歩もうとしている個々人」ではなく
「精神障害者という烙印を押し、精神障害者集団というカテゴリーに
押し込める対象」になっている。
重要なところは、一人の人ではなく、一つのカテゴリーとなっているところ。
お互いの相互作用によってスティグマは生じている。
これが、スティグマが社会的関係性である理由である。
偏見とは
心理学や社会学の定義から考えると
1.十分な根拠がないこと(不十分な情報による判断)
2.非行為的な感情や態度
3.場合によっては非行為的な行動を伴うこと
障害者への偏見の形成過程
偏見は学習されながら、徐々に形成される特徴がある。
新聞やマスコミによる事件報道の影響が強い。
犯罪者の経歴に精神病院の入院歴や受診歴があれば
事件との因果関係にかかわらず、精神障害者=犯罪者という
イメージが生じやすい。
そして、このイメージの繰り返し、さまざまな事件を通して
報道されるとこのイメージは学習を通して揺るぎないものになっていく。
一度、長時間にわたって形成されたイメージは
精神障害者の正しい知識が後に与えられても、変化しにくい。
「偏見は誤解ではないので、正しい知識を与えられても
即座に解消されるとは限らない。」と指摘されている。
差別とは
否定的な感情や態度が具体化されたのもの。
具体的な不平等、不利益な取り扱いを受けることである。
人間は、長年にわたって、身分や民族によって差別を制度化してきた
歴史がある。近年は、人権行き来の高まりから明確な身分や民族による
差別、制度化している国は少なくなっている。
しかし、障害者に対する制度化された差別として
「欠陥条項」がある。
「欠陥条項」とは
心身の障害を理由に、資格や免許の取得や、業務の許可の制限をしている
法律や制定とされている。
欠陥条項には時代に合わないもの、障害者の生活実態に合わないもの
などさまざまに存在している。
分かりやすいもので言えば法的がある。